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2025年のキーワード 昭和100年、内外前後左右上下、八方注意怠れず

2024年12月25日


 


2025年、令和7年は昭和100年にあたる。コロナの苦難からはようやく脱しつつあるが世界と日本は問題が山積、あちこち目を光らせていないとたちまち八方塞がりとなりかねない。戦後80年、秩序が崩れ最大の試練の時を迎えようとしている。


「内」 総選挙の結果自公政権は過半数を取れず、新たな政党を政権に囲い込むこともできなかった。政策ごとに野党の協力を求める綱渡り状況が続く。


野党にしてみれば、政府の政策に反対ならばいつでも内閣不信任案を提出、可決の可能性は大きくなっている。党内にも反石破勢力がいるから欠席戦術に出れば、たちまち不信任案は


可決する。解散総選挙はもはやできないから内閣は総辞職に追い込まれかねない危ない橋を渡らねばならない。戦後政治の一大転機の年となりそうだ。


しばらくは「内閣不信任案」が政治の大きなテーマとなる。


「外」 外交である。アメリカ大統領選挙でトランプ大統領が誕生した。アメリカ第一主義で内向きの保護貿易、安全保障政策の後退で世界と日本は大きな影響を受けそうだ。外交が暮らしに


直結するかつてなく重要な局面を迎えた。中国はじめ貿易相手国へ大幅関税をかける、第二のプラザ合意のようなドル安政策をとる、台湾、韓国、日本などの防衛費負担をさらに求め


る、といった施策を次々に繰り出してくる可能性がある。どれも重要な問題で今後の日本の未来を左右しかねない。来年は新大統領の動きから目が離せない。


「前」 戦後80年という長い時間が過ぎたが、いまは新たな「戦前」かもしれないという不安が地球を覆っている。特にロシア、中国、北朝鮮にイランを加えた枢軸4か国の動きに目が離せ


い。北朝鮮がロシアに派兵してウクライナ戦争に加担したこと、さらに北朝鮮は武器をイランにも供給、そのイランとイスラエルが対峙していることなど今後の戦火拡大を予想させ


る。また中国が台湾へ、北朝鮮が韓国へ戦いを仕掛ければ、西側諸国と全面戦争になりかねない。第三次世界大戦はけっして空想の世界の話ではなくなった。


「もはや戦後ではない」から「今や戦前」ともいうべき国際情勢だ。   


「後」 ひるがえって日本国内を見ると2025年は大きな節目である。戦後のベビーブーム世代のほぼ全員が「後期高齢者」に仲間入りするからだ。

後期高齢者になるとそれまでと比べて健康を維持することが難しくなり行動範囲が狭くなることは間違いない。後期高齢者の10人に1人は高齢者施設などの既に入所あるいは入所待ちの状態でもある。

前期高齢者のころは定年後、退職金も入り、子育ても終わり、住宅ローンも完済して旅行や趣味などに費やす金銭的、精神的そして体力的ゆとりもあった人たちも、次第に家に籠りがちになってくる。つま


り消費人口の減少をもたらすことを意味する。日本経済はいよいよ目に見えて縮小してゆく。


「左」 左翼とひところ言われた社会主義陣営の中国とロシアは、国家が管理しながら資本主義を取り入れ、かつて彼らが敵対していた帝国主義的な国家戦略を今度は自分たちが推し進めている。


中国は南シナ海の海域に進出、べトナムやフィリピンと領有権争いが過熱化しているし、アフリカや中南米でも経済援助を背景に支配権を広げている。ロシアもアフリカなどに親露政権を樹立する


べく工作活動と援助活動を進めている。国連で対露経済制裁などが進まないのも西側世論とは裏腹に親露諸国が多いことによる。発展途上国が親中国、親ロシアに色分けされて行く中で日本


がどう資源と経済市場を確保してゆくか課題となっている。


「右」 インフレの進行で生活苦にあえぐ国が増えて、自国第一主義を訴える右翼勢力の台頭が著しい。トランプ政権樹立もその流れの中にある。ヨーロッパでも各国軒並み右翼勢力が台頭しネオナチズ


ムが政治の前面に躍り出ている。日本でも既成政治に飽き足らない人や生活苦に喘ぐ人が多くなれば極右勢力の台頭を招いたり治安の悪化に見舞われる心配も現実のものとなる。


「上」  これには二つある。


一つは日銀の金利引き上げが本年どこまで進むか、大きなポイントだ。 昨年夏の金利引き上げが思わぬ株価暴落を引き起こしたことから日銀は金融引き締めのスピードに神経を使う。

アメリカが金利を引き下げれば日米金利差は縮小、為替は円高に向かうことが予想される。ドル円相場を睨みながら年に2回程度の引き上げを行うものとみられる。


 もう一つ賃上げも重要なテーマだ。


昨年は、大企業はもちろん中小企業でも予想を上回る賃上げが行われたものの、その後の物価上昇で実質賃金は再びマイナスに転じた。25年春闘で継続的な賃上げができないと真のデフレ脱


却にはならないというが、企業業績に陰りが出ていることや中小企業に賃上げ余力があるかという問題もあり、どの程度の規模の賃上げが実現できるかが今後の消費拡大にも関わる大きなテーマ


となる。


「下」 前項とも関係するが、3年目に入った物価上昇が下げに転じるか、これも今年の注目だ。少数与党は野党からの生活費補填の要求にどうこたえてゆくか。財政肥大化とのにらみ合いだ。ま


た国際情勢次第で原油価格、食糧価格急騰の心配もある。緩やかなインフレが望ましいという政府日銀だが、国民生活の窮乏も無視できない。物価が下がるか、注目したい。


「内」「外」「前」「後」「左」「右」に「上」「下」と八方に目配りが欠かせない2025年、昭和100年である。