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投稿 西村晃 ★一人暮らし急増の衝撃

2021年7月23日

昨年行われた国勢調査の人口速報集計が6月末に発表された。人口減少の傾向がますます顕著であることはもちろんだが、そのなかにあって「世帯数の著しい増加」が浮き彫りになった。
と言ってもにわかに信じがたいかもしれないが人口は約87万人も減っているのに、世帯数が約227万世帯も増えているのである。特に顕著なのは東京だ。前回調査と比べて人口が55万人増えているのに対して、世帯数も52万世帯増得ている。つまり人口増と世帯数増がほぼ同じということで、一人暮らし世帯の増加と想像できる。核家族化がさらなる世帯分裂を引き起こしたと言うことだろう。  
 全国的にみると一人暮らし世帯が多い年代は、20代と60代に大別される。若い未婚と配偶者との死別後独身となった高齢者という二極化だ。都道府県のなかで人口が最も増えている東京と人口が最も減っている秋田を比較するとその特徴が顕著だ。東京は完全に20代の一人暮らし世帯、秋田は高齢者の一人暮らし世帯が増えているのだ。若い一人暮らし世帯が増加している東京などでは人口が増加し、高齢一人暮らし世帯が増えている秋田など地方では人口が減少しているというわけだ。同じ一人暮らし世帯の増加でも、若者か高齢者かによって、そのエリアの成長と衰退とが正反対になるということだ。
地方での一人暮らし世帯を社会がどう見守るかが今後の大きな社会政策の基本となる。
様々なデジタル技術の活用により、オンライン診療やロボット、自動運転技術による病院等への送り迎えなど、様々な知恵が動員されなければならないが、その背後にはあたたかな人のまなざしが必要であることは言うまでもない。