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★投稿 ★第三次石油ショックの到来
2022年4月 7日
日本はこれまでに二度石油ショックを経験している。
二回とも、第四次中東戦争、イランイラク戦争という戦争の当事国ではない立場ながら、石油輸入価格の大幅な上昇で経済に大きな打撃を被った。
特に今からちょうど50年前の1973年(昭和48年)の第一次石油ショックでは、イスラエルを支援するアメリカに連なる国ということでアラブ諸国から「敵国扱い」を受け、輸出禁止の対象国となった。
戦争による原油価格の高騰、また戦争当時国ロシアから非友好国のレッテルを貼られている点、今回と共通点が多い。
また第一次石油ショックにより、それまで1バーレル3ドルから4ドル程度だった原油価格は一気に4倍に跳ね上がった。今回はコロナからの市況回復を受けて昨年一年間ですでに原油価格は倍近くになり、今年に入ってウクライナ情勢を受けて1バーレル100ドルを超える水準に達している。今後戦況が大きく変わるとも思えず、価格上昇と供給不安はさらに拡大しそうだ。
状況はもはや第三次石油ショックと呼ぶにふさわしい。
50年前と違って世界はサプライチェーンマネジメントで強く結ばれるようになっているだけに、石油だけに限らず原料や部品供給、商品市場などあらゆる点で密接な関係を築いていた。それが経済制裁の応酬で寸断されてしまっているために、過去の石油ショック以上に日本経済に大きな影響をもたらすと考える。
さらに新型コロナウィルスによる影響やサイバー攻撃の応酬による生産・流通などへの影響も心配だ。
50年前の日本は言わば若い国であった。
石油ショックの前の年まで日本列島改造ブームで高度成長を謳歌していた。
だから、大幅な物価上昇を補うべく労働組合は大幅な賃上げを要求し企業もそれに応じた。
それに対しいまこの国では賃上げがなかなか難しい。しかも高齢化の進展で年金暮らしの人も多くなっている。大幅な物価上昇に見合う年金の引き上げは困難だろう。
日本経済は2年のコロナ危機のトンネルを出ぬままに、ウクライナ問題による第三次石油ショックの長いトンネルに入ってしまった。
この先しばらく出口の光は見えない。