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お知らせ

★落日の日本

2021年9月26日

「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という本が出版されたのは1979年のこと。
その後プラザ合意を経て日本はバブル経済の絶頂期を迎える。
90年代に入りバブルが崩壊、以後平成の30年の日本は下り坂をたどり続けた。

日本の国内総生産(GDP)が世界全体に占める割合は、1995年の18%から、2020年には6%と、3分の1に急落している。 今でも世界第3位のGDPを誇る経済大国ではあるが、それは日本が1億人以上もの人口を保有しているためだ。日本はOECDで2番目に人口の多い国なにである。人口の影響を取り除いた1人当たり名目GDPは下がり続け、30カ国以上が加盟するOECDの中でも19番目の水準にまで後退している。  
世界の企業の時価総額の推移を見ると、日本は1995年にはNTT(2位)とトヨタ(8位)の2社がトップ10にランクインしていたが、2020年はトヨタの43位が最高である。
スイスのビジネススクールIMDが国ごとの競争力を示した21年版の世界競争力ランキングによると、世界主要64カ国・地域中、日本は31位。東アジアの中でも、シンガポール、香港、台湾、中国、韓国を下回り、25位のマレーシア、28位のタイよりも低い評価となっている。
平均賃金を見ると、1990年には経済協力開発機構(OECD)の平均3万6941ドルに対して、日本は3万6879ドルで12位であり、フランス、イギリス、スウェーデン、韓国よりも上位だったのが、2020年には3万8515ドルで、その4カ国よりも下位の22位に落ちている。なお、OECDの平均は4万9165ドルで、1位の米国は6万9392ドルである。 
OECDの報告書によると、17年の初等教育から高等教育までの公的支出のGDPに占める割合が、日本は2.86%で、何と比較可能な38カ国中37位と、最下位から2番目なのである。米国、イギリス、ドイツ、韓国よりもはるかに下位で、日本の下にはアイルランドしかいない。

どう考えても日本はいまや経済的には一流国とは言えなくなっている。
そして今後を考えてみても、復活の見通しは今のところ見当たらない。
人口減少と、世界で例のないほどのスピードで進行する高齢化が経済発展の重しとなる。国の債務残高も世界最悪のレベルだ。おまけに日本経済をリードしてきた基幹産業の将来性も不透明になってきた。家電が凋落した後日本経済をけん引してきた自動車産業もEV化の世界的流れの中でガソリンエンジン時代と変わらず、競争力を維持できるか見通しが立っていない。他を見回して新たなけん引役はまだ見当たらない。
落日日本の行く末は今後どうなるのか。

私は、その答えは老大国に徹することだと思う。
工業生産で競っても若年労働力で優るアジア各国と太刀打ちするのは難しい。
IT産業ではアメリカや中国を凌駕することも不可能だろう。
ならば日本は独自の伝統と文化を磨き上げて商品化していくことこそ活路が拓けると思う。