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★投稿 およそ9割減の現実  西村晃

2021年10月 3日

 日本フードサービス協会によると、8月の外食産業全体の売り上げはコロナ前の2019年比で約25%減った。特に酒類を提供するパブ・居酒屋は約89%減、つまり9割に近い落ち込みである。
 9月末で緊急事態宣言が全面解除され、10月1日から酒の提供が条件付きで解禁された。しかし、感染者数が急増すれば、再び酒類の提供禁止や時短営業を求められる懸念があり、飲食関係者の多くは先行きについて慎重な見方を崩さない。
 1年半を超えるコロナ禍でも日本経済は製造業が輸出を中心に健闘してきた。しかし外食産業を含めた小売りサービス業は惨憺たる状況が続いている。
コロナの影響がたとえなくなっても、この間に進んだネットへの移行や生活習慣の変化により元の売り上げに戻らない企業も少なくないと思われる。
 岸田自民党新総裁は「今は国難のとき、楽観論ではなく最悪の事態を想定した戦略を練るのが政治の務め」と語って総裁選を勝ち抜いた。
 その言はよし、早急に対策を講じて欲しい。一人の経営者があがいてもとても解決する事態ではない。まさに政治の出番である。こんな時期に国会さえ開こうとしないという前政権の無為無策は歴史に残る汚点だった。市井の悲鳴を聞く耳を持つ宰相であればおのずから支持は厚くなっていく。
 戦後民主主義の真価が今ほど問われている時はない。