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★事故物件
2021年10月16日
独り暮らしが増えれば、不慮の死が発見されずそのままとなるケースも多い。いわゆる事件事故でなくとも、孤独死となる例が賃貸物件でどう扱われるか社会問題化している。私が以前住んでいた家の隣のアパートでも,死後相当の日数が経ってから遺体が発見されたが、それは事故死ではなく病死と言うことで、その後も告知なしで次の人が入居していた。
国土交通省はこのほど入居者らが死亡した住宅を取引する際の告知指針を公表した。病気や老衰による自然死、階段での転落や入浴中の溺死など不慮の死は原則、不動産業者が買い主や借り主に「告げなくてもよい」と明記。その他の死因は告知対象とした。過去に殺人などが起きた「事故物件」の判断基準を国が示すのは初めてだ。これまでは明確なルールがなく、単身高齢者の入居が断られる賃貸物件もあった。国交省は今回の指針で入居時のトラブル防止につなげたい考えだ。5月に公表されたときの指針案では、告知すべき死因として他殺や自殺を明記していた。だが一般からの意見公募で「自殺への偏見を助長する」など人の死の受け止め方に関する声が複数寄せられ、修正した。指針の対象はマンションやアパート、一戸建てなどの住宅。人の死に関する事案が「取引相手の判断に重要な影響を及ぼす場合」は告知するのが原則としつつ、自然死と不慮の死は不要とした。「当然に予想され、買い主や借り主の判断に重要な影響を及ぼす可能性は低いため」としている。その他の死因や、遺体の放置で特殊な清掃が行われた場合、賃貸物件では3年を過ぎるまで告知の対象になるが、具体的な死因は示していない。一方、借り主側から死亡事案の有無を聞かれたり、社会的な影響が大きい事案と業者が判断したりした場合は、死因や経過期間にかかわらず、判明している情報を知らせる必要があるとした。
中高年の人が賃貸物件に入居しづらいという問題が深刻化している。今回の指針ですぐに解決するとは思えず、今後も問題は顕在化し続けるだろう。
★SDGs的「自然園」という名のテーマパーク 投稿
2021年10月 4日
前橋に住むようになって気に入っている場所がある。「赤城自然園」という。正確には前橋市に隣接する渋川市に位置するが、我が家から車で30分ほどの至近の地で赤城山の長いすそ野の一角、約120ヘクタールの敷地内に、マツヤスギなどの雑木林を中心に、東洋一の規模を誇るシャクナゲ園、北関東で生育するほぼ全ての昆虫と触れ合える昆虫園などからなる。
ここはクレディセゾンが運営している。もともとは70年代当時の西武都市開発リゾート開発を目的に取得を開始した土地だ。当時セゾングループ代表だった堤清二氏がデパートの屋上でカブトムシやオタマジャクシを初めて目にする子供たちの姿にショックを受けたことで自然と触れ合う環境・総合自然観察園として運営を決定、88年に西友に管理が移管され、93年に自然園として一部オープンした。しかし年間数億円ともされる運営費に対し開園日は年間で50日程度にとどまったため、入園者は年間6000人程度で常に赤字の状態だった。その後西友がウォルマートの完全子会社となった際に、不良資産として槍玉に上がり、2009年に閉鎖。従業員も全員解雇されるが、一部の社員が無給で管理を継続。一方で新たなスポンサーを探した結果、同じセゾングループだったクレディセゾンが運営を引き継ぐことになり、2010年に再オープンして現在に至っている。旧西友時代に比べ開園日を大幅に増加させ、年間約150日程度の開園とすることで、入園者は年間約5万人にまで増えている。
現在では山野草も子孫をひろげ多くの小鳥や昆虫が飛来している。入場料は大人1000円で、最初は何で森に入るのに入場料がいるのかと思ったが、中に入り散策してみるとその意味が分かって素晴らしいと思うようになった。
まず歩くルートはコンクリートや人工的な柵などはなく、自然を活かした小道がつくられている。案内板がいたるところにあり迷うことなくゆっくり歩くことができる。いくら自然を楽しむといっても道に迷って遭難しては困るがここではその心配はまず考えられない。クマなど動物も生息する山ではあるが、目立たないところにちゃんと柵があり、大型動物の侵入の危険はない。目立たないようなユニフォームで園内を歩きながらパトロールしている従業員がいて、つかず離れずの距離感で見守っているのも分かる。安全で守られたうえで樹木や山野草、昆虫や水生動物に自然のまま接しながら一日楽しむことができる。遊戯施設も売店もないけれど、この環境を保つためには入場料と、セゾン以外の大企業グループの支援があって成り立つという仕組みも納得ができる。過去に赤字を垂れ流す運営状態だったことから入園料収入に頼らず、施設の思想に賛同する企業からの協賛金を大きな収入の柱としているのだ。
一方で、新旧の植物リストづくり、昆虫類の生態データや標本の作成など、基礎的な情報を収集し、長期的な計画目標である「フィールド状況と画像を連動させた利用システムづくり」にもそなえているという。自然とのふれあいを重視しており、敷地内は林の下枝刈りや間引きなどを除いて最小限の開発にとどめている。
まさに持続可能な地球にやさしい「テーマパーク」である。
★投稿 およそ9割減の現実 西村晃
2021年10月 3日
日本フードサービス協会によると、8月の外食産業全体の売り上げはコロナ前の2019年比で約25%減った。特に酒類を提供するパブ・居酒屋は約89%減、つまり9割に近い落ち込みである。
9月末で緊急事態宣言が全面解除され、10月1日から酒の提供が条件付きで解禁された。しかし、感染者数が急増すれば、再び酒類の提供禁止や時短営業を求められる懸念があり、飲食関係者の多くは先行きについて慎重な見方を崩さない。
1年半を超えるコロナ禍でも日本経済は製造業が輸出を中心に健闘してきた。しかし外食産業を含めた小売りサービス業は惨憺たる状況が続いている。
コロナの影響がたとえなくなっても、この間に進んだネットへの移行や生活習慣の変化により元の売り上げに戻らない企業も少なくないと思われる。
岸田自民党新総裁は「今は国難のとき、楽観論ではなく最悪の事態を想定した戦略を練るのが政治の務め」と語って総裁選を勝ち抜いた。
その言はよし、早急に対策を講じて欲しい。一人の経営者があがいてもとても解決する事態ではない。まさに政治の出番である。こんな時期に国会さえ開こうとしないという前政権の無為無策は歴史に残る汚点だった。市井の悲鳴を聞く耳を持つ宰相であればおのずから支持は厚くなっていく。
戦後民主主義の真価が今ほど問われている時はない。