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お知らせ
インフレという魔物
2021年11月13日
かつてこの国が高度成長をしていた頃、物価は上昇を続けていた。
慢性的な人手不足、需要超過・・・。
モノの値段が上がり嬉しいわけではないが、それ以上に所得も伸びる可能性があったから、物価上昇それ自体が政府の失政と追及を受けることも少なかった。
石油ショック、バブルといった狂乱物価の時代は過去のこと、平成デフレ経済においては物価上昇が話題になることは少なかった。アジアなど低賃金国で生産された商品が流入し、激安価格は見慣れた光景となる。
バブル崩壊から30余年、今この国、そして世界中で物価上昇の勢いがとまらない状況となってきた。
理由はいろいろだが、根本にはコロナで止まっていた経済活動が世界で一斉に動き始め、需要が一気に高まったことにある。あるいはコロナで作業員が不足しているため生産や農産物収穫などが思うに任せないという問題も加わった。
さらに日本の場合輸入品が多いのに円安傾向というのも状況を悪化させている。
物価高でも所得が増えるような経済下なら問題も少ないが、いまの日本では成長分野が乏しく、所得増は望みにくいし、コロナで雇用不安さえ顕在化している。また年金暮らしの高齢者が多く物価高は生活をもろに直撃する。
燃料高が需要期の冬場に向かう時期に起きている事、また年末年始にかけて食料品の値上げが追い打ちをかけることも気にかかる。
コロナ一段落にホッとする間もなく、今度はインフレという魔物との戦いを強いられる。